前のエントリーに書いた通り、この夏はヒグラシの姿を頻繁に見る。羽化したばかり
の姿も容易に観察できるのだ。土から出たばかりの幼虫が歩いている姿も見つけた。子どもたちが踏んではいけないと、近くの葉に止まらせてあげた。
子どもたちは秘密基地作りへ。その間、蝉は殻から徐々に出てきていた。
秘密基地も出来上がり、子どもたちが蝉の周りに集まり始めた。蝉を刺激しないように、距離をとって。大人たちはデジカメ、携帯電話で写真を撮る。
蝉に詳しい人が殻とからだが細い糸で繋がっている事、完全に羽化するまでそれが切れないようにしなければならない事を教えてくれた。
羽になるところがまだ小さく固まっている。どんな風に開いていくのだろう。焚き火の方へいく子、ブランコに乗りにいく子と観客が減るものの、一人、ずっとしゃがんで観察している2年生がいた。昆虫が大好きな都心に住む子どもだった。
羽が開いてきた。模様も徐々にはっきりとしてくる。この時点ではまだ殻とからだは繋がっている。幼虫を葉につけてから約4時間経過していた。残念ながら子どもたちが宿に戻る時間となる。その2時間後見に行くと、まだ蝉はこのままであった。
翌朝。抜け殻だけが残り、森の中にはヒグラシの鳴き声が響き渡っていた。子どもたちと樹木の上を見上げ、どこかであの蝉が鳴いているんだねと言い合った。
蝉の羽化を間近で観察したのは、生まれて初めての事だった。