朝9時前から午後4時過ぎまで、手の入っていない杉林にて間伐を行った。
まずは林の樹木が健全か否かをみる。形状比(樹高÷胸高直径)が70を超えると災害に遭いやすい森になってしまうことから、リュッデやタンジェントハイトゲージを使って樹高測定。樹木の直径はホームセンターでも売っている巻き尺を使った。
半径4m円内で、残す木を選定していく。枯れた木、曲がった木、病気にかかっている木は整理する。線香のような林では、間伐せずに「巻き枯らし」という樹皮を剥ぐ方法で良木の支柱とすることがあるので、その方法も体験してみる。
学生と選んだ木を伐倒。ついている枝を取り除き、玉切りにする。チェーンソーの使い方も全員が指導を受け体験した。中には既に講座を受講している学生もいた。
倒した木をそのままにして獣の侵入を防ぐ方法が現在主流であるが、体験学習林であるため集積する。学生が抱えられるものは人力で運んだが、重量のあるものは滑車を使って動かした。定滑車2個、動滑車2個をどのように使うか知恵を絞る。動き出すと木が土を押してしまい動かなくなる。梃の原理を使い木を浮かせ、下に適当な丸太を入れてコロにする。ロープワークもここで学んだ。
山仕事中は現場で火をおこし、蚊遣りにしたり、湯を沸かして休憩時の茶の準備をする。白樺の皮、杉の葉、あぶらちゃんといった現場にあるもので火起こしもしてもらった。
丸一日林の中での労働、さぞや疲れただろうと思ったが、さすが若者、思ったより楽しかったとの感想が多かった。これまで持っていた知識を現場で知恵に昇華し、身につけた者だけが知る楽しさであろう。
学生たちの労働のお陰で、林の中に日が差し込んでいた。
巻き枯らし
玉切り
人力で集積
火起こし
実はこの時期、他団体から間伐体験の要望があったのだが、計画を拝見してお断りをした。午後2時過ぎスタートで終了が午後4時。とてもでないが何もできない。計画段階から相談されていればアドバイスもできたのだが。