(画像上:大山倉吉火山灰DKP採集中。画像下:上に被っていた土を取り除くと地層がはっきりと見えた)
駒場東邦中高の地学部合宿に半日お邪魔した。
野尻湖ナウマン象博物館の近藤先生のご指導のもと、とある沢に入り両岸の泥炭層と火山灰層からサンプルを採集。
博物館に戻り泥炭層の塊を丁寧に割って化石を見つける。緑色や黒、青色の金属光沢のあるものが化石であると教わる。
約40人の若者が黙々と土をいじっているので、博物館を訪れた人々が足を止める。小さな子どもが寄ってきて「ぼくもやりたい」という。どうぞ、と土を渡し、やり方を教えると昆虫化石が出てきた。
材化石(樹木)がけっこう出てくる。メニアンテスというミツガシワ科植物の種の化石や、ネクイハムシ、ゴミムシ、シデムシといった昆虫のからだの一部も見つかる。中には羽や触手の残る博物館所蔵レベルの良い状態のものもあった。
5万年前の氷河期のものを、今手にしていると思うと何とも不思議な気持ちになる。 5万年という時間が想像もできない。
火山灰層のサンプルは洗って中の鉱物を調べるのだが、これは時間がないので帰ってからの仕事となる。
5年前にも地質調査に来ていた当時の中学生が、OBとして参加していて嬉しい再会もあった。現在は大学地学科で勉強されているとのことで、将来は研究者だろうなとお話ししていて思った。 高校生の部員から精密発掘には古いブラシをつけた電動歯ブラシが重宝していると教えてもらう。
こちらの部は年に2回の合宿で全国各地を訪れる。北海道では大きなアンモナイトの化石を見つけたとのこと。文化祭での展示を見て憧れ、地学部に入りたいために受験する小学生が多いと顧問の先生がおっしゃっていた。
現場で自分の手足を動かし発掘するのは楽しい。その後の精密発掘も楽しい。野尻湖ナウマン象博物館では、16日まで夏休み博物館ミニ講座を行っている。お勧めです。