1年ほど前に行った東北ボランティアバスツアーで知り合った方が、フェイスブックに鳩の模様の手ぬぐいの写真をアップしておられた。「58羽の鳩に会いにいきます」と謎の言葉を添えて。どこに行かれるのかなぁ、毎週末東北ボランティアに行かれているから東北であるだろうけれど。そして、手拭好きの私は、この鳩の手拭にひとめぼれをした。
いくつかついたコメントから、この手拭が福島県南相馬市にある山田神社にまつわるものだと知った。通信販売をしていることがわかり、さっそく注文。そして今日、手元に届いた。
この手拭が生まれたきっかけは次のようなものだ。
山田神社は福島県相馬市と南相馬市にまたがる八沢浦干拓地の総鎮守で、昭和16年に創設された。干拓は明治の頃から始まったが、強い波や排水が工事を困難なものにした。農地となった海は、200余戸の人々の生活の基礎を作り、6,000俵の食料増産を果たす。
相馬市蒲池の地に鎮座していたが、東日本大震災に伴う大津波で神社も氏子の集落40戸も流されてしまう。47人の氏子さんの命も奪われてしまった。
平成24年2月、熊本県球磨工業高校伝統建築専攻科が造った仮社殿が、鳥居二基とともに寄贈され、南相馬市鹿島区北海老の海の見える高台に設置された。6月、この鳥居に東京在住の絵描き、はとさんが、亡くなられた方々の慰霊のために58羽の鳩を描き「鳥いっぱい鳥居」となった。
この手拭はその鳥居のデザインを写したもので、金額の一部を今後の山田神社運営の為に奉納される。
手拭を扱っているwebshop野庵の代表、毬詠さんのブログから要約
【夏の終わりの旅@南相馬市山田神社】
http://a-yarn.tea-nifty.com/marie/2012/09/post-2008.html
【特別な夏の宿題*南相馬(ヨッシーランド)での時間】
http://a-yarn.tea-nifty.com/marie/2012/09/post-1.html
モノが出来るのには様々な背景と物語がある。ここにある一枚の手拭に込められた想いをしっかりと受け止めたい。そして日々の暮らしの中で大事に使い、目に留めた方に、今度は私が山田神社の物語を伝えていきたいと思う。
東北の手づくりの品を集めたpinterestのボードもご覧ください。
http://pinterest.com/kaoruo/tohoku-products-crafts/