午前中、大きな虹がかかっていた。夕方、烏の群れが帰って来た。
そんな休日、一冊の本を読んでいた。「2:46 Aftershocks─午後2時46分 すべてが変わった
」。
アマゾンより本書の解説を引用する。(一部タイプミスを訂正)
QuakebookとはTwitterから生まれた東日本大震災の被災者を救済するチャリティー・プロジェクトです。 我孫子在住のイギリス人ブロガーの発案から、Twitter で作業が進められ、世界中の85名の寄稿により一冊の本ができあがりました。ジャーナリストや震災を目の当たりにした被災者の話が写真やイラストといったアートワークと共に並び、オノ・ヨーコ氏の寄稿、作家ウィリアム・ギブスン氏(『ニューロマンサー』)の書き下ろしエッセイなども英日対照(バイリンガル)で収録されています。さらに日本語版オリジナルコンテンツとして脳科学者茂木健一郎氏の原稿も加わります。 なお、本書の直接製造コストと書店・取次の流通マージンを除いた全ての収益は義援金として寄付されます。(※管理人註:寄付先は日本赤十字)
このプロジェクトのTwitterでの呼びかけや協力の様子は、オンタイムで目撃していた。何よりも早く義捐金を送りたいという思いから3月25日を〆切とし、様々な人が関わり出来上がっていく様子は見事であった。最初オンラインでダウンロード販売し、その後ボランティア翻訳を経て日英二カ国語版が発売された。
データで読んでいたものの、こうして製本されたものを手にすると別の感慨がある。3月25日を〆切としたことから、収められている文章の書き手に東北の方はおられない。主に関東、海外に住まう人たちの、3月11日2時46分への思いが詰まっている。
一気に読むことが出来ない。一遍、一遍を読み終える度に、自分自身の「あの日」のことが思い出される。また、それぞれの方の「あの日」を追体験する。そして、収められていない東北の方達の「あの日」のことを想像する。それはテレビで見続けていた津波の映像と、大量に読んだニューステキスト、時間が経ってから流れていたインタビュー映像などから組み立てたもののため、実像とは異なるものかもしれないのだが。
気がつくと私は泣いていた。
このプロジェクトに関するサイトもぜひご覧ください。
▶ http://quakebook.org/ja/ (日本語と英語とドイツ語)
その他
3月30日AFPの記事「大震災 ブロガーたちの思いが一冊の本に、「Quakebook」まもなく発売」