2/10/2009

干し柿とスキー汁


市を見て回るのが好きだ。
生まれ育った長岡には五・十の市(毎月5,10の倍数日に開かれる市)と三・八の市(3と8の付く日に開かれる市)がある。妙高は新井駅近くの朝日町通りに市が立つ。「六十市」とか「六斎市」と呼ばれてるもので、毎月6と10のつく日と晦日に開催される。

農家の人が自分の畑で取れたものや山で収穫したものを売っている。八百屋さんがやっているものもある。私は個人の人が売っているところで買うのが好きだ。置いてある種類は八百屋さんより少ないが、目の前のこの人が作っているのだなとわかるのがいい。

銀行から出ると市が立っていて、今日が十日だったことを思い出す。昼近かったので店仕舞いをしているところがほとんどであったが、ゆったりと腰掛けている女性がいたので寄ってみた。彼女の売り物は干し柿や多種類の豆、殻から取った胡桃などで品数は多くはない。

明日のスキーツアーの行動食は干し柿にしようと思い立つ。試食にひとつ戴く。甘い八珍柿。十数個はいって500円だが、もう仕舞いだから400円にしてくれるという。私が値切ったわけではない。400円にするから二袋どうかというので二袋いただく。胡桃に興味を示すと300円だが200円でどうかというので、つい今しがたお釣りでもらった硬貨を手渡す。帰り際、干し柿をもうひとつくださった。

根菜類が欲しかったが市はもう終わりだったので、「産直センターとまと」に行く。店先の看板にちょっと嬉しくなる。「スキー汁」の表示。
最近この表現をこの辺りでは見ないからだ。レルヒ少佐が日本で初めてスキーを教えた地、高田(上越市)の郷土食で、スキーで冷えたからだをあたためるために作った具沢山の汁物だ。スキー訓練を受けた軍人の中に鹿児島出身の人がいたため、さつまいもを入れるのだとか。日本のスキー発祥の地ゆえの料理名、ぜひ残して欲しいものだ。


★妙高の市(いち)の名称について、市役所企画政策課の方にご協力を戴いた。


それにしても新井地区は雪がまったくなくて驚いた。小雨が降っていたが気温は低かったので、妙高高原は雪だろうと思って戻るとしばらくして湿った雪が降り出した。