ほんとうは賢いのに！お手が出来ないだけで残念がられるなんて。
というわけで、「お手」の特訓。「お手」という言葉と、前足を人間の掌にのせるという動作を繋いであげればいいのだ。準備としてビーフジャーキーのおやつを細かく千切り隠し持つ。
最初は犬を座らせた状態で、はっきりと「お手」と発話する。と、同時に犬の前足の関節を軽く内側から押して、自分の掌にのせる。これを数回繰り返す。犬は初めてはっきりと言われた「お手」という言葉に集中しているような表情を見せるが、私の勘違いかもしれない。いつおやつをもらえるのかに集中しているのが本当かもしれない。
約５分ほどこれを繰り返したら終了。特訓お疲れさまの意味でおやつ授与。翌日も同様のことを行う。
3日目。この日は事務所犬にとって予想外のことが起こる。預かり犬ミニチュアダックスフンドが来たのだ。この犬は人間がそばにいないとダメらしく、とにかくまとわりつく。事務所犬に特訓をしているときも、隣にいて自分も何かして欲しい（おやつ欲しい）という表情をしている。仕方がないので二匹同時に特訓。事務所犬の課題は「お手」。預かり犬の課題は「おすわり」だ。
預かり犬は見事に何もできない。「おすわり」といいながら腰の辺りを押し下げても無反応。人の顔をなめようと突進してきさえする。課題のランクを下げる。じっと待てればいいということに。で、待てた。おやつ。
続いて事務所犬。関節内側押しやりを数回の後、おずおずと自分から前足をのせた！
褒め讃える。おやつ、おやつ。預かり犬、事務所犬と交互に命令＋おやつを繰り返す。事務所犬は力強く前足を私の掌にのせる。なんだか覚え方が急激に速い気がする。隣に預かり犬がいたためだろうか。競争心のなせる技か。
そんなわけで、トータル30分もかからず事務所犬は「お手」をマスターしたのであった。ちなみに「おかわり」はまだ教えていない。
預かり犬のことは，聞かないでもらいたい。これから。そう、これから。
←動きが素早過ぎて、フレームに収まらない預かり犬。
