裏の沢を覆っていた雪もほとんど崩れ落ちた。残っている雪の橋も厚さは1/3。そのまわりをうろつく犬。何かを見つけたらしく吠えている。長靴に履き替えるべく室内へ。そして戻ると犬の姿がない。他の場所に行ってしまったのか、呼んでみる。こもった鳴き声が聞こえてくる。
まさか・・・
沢を覗き込むとずぶ濡れの犬が必死に這い上がろうともがいていた。1mほど離れた雪の橋には犬の大きさの穴があいている。落ちたのだ。
短い足では這い上がれずにいるので、沢に入って抱きかかえて助ける。背中上部以外すべて濡れている。雪融け水は冷たく、水量も多い。流れも速い。よく流されずに済んだものだ。
小さな子どもが落ちたらいけないので、沢を覆っていた雪を全て落とすことにする。犬は興奮状態でそこら中を走り回っている。近づいてきて沢を覗き込んだり、雪の橋の上に載ろうとする。落ちたのに学習していない模様。近づく度に「あぶない」と言わねばならない。バカ犬。
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日曜日に遊びにきた5歳の子どもが保育園の帰りに寄ってくれた。ビニル袋を持っていて中身を見せてくれる。フキノトウ。帰りに摘んだのだという。
「お母さんに料理してもらうの」ときくと首を振る。私へのプレゼントなのだとそばにいる父親が言葉を添えてくれた。
嬉しい!!
小さな手で摘んだ小さなフキノトウ、今晩おいしく戴きます。