8/08/2009

越後妻有アートトリエンナーレ/Scrap and Bride

着物作家、庭野政義氏による「冬」の花嫁の顔を描いたオリジナル手ぬぐい

自分がアート作品に参加するというのがまず面白い。
南雲由子さんの「Scrap and Bride」は、なぐも原・結いの里で行われた。

4年前の新潟県中越地震から「地震」と「復興」を経験した十日町の大地と、「古い家を捨てて」「誰かと新しい世界を築く」人生の一場面にある花嫁のイメージを重ねあわせる、というコンセプトのもと、実際に結婚するカップルに十日町で制作したオリジナルの着物を着て頂き、花嫁行列を行います。ご参列のゲストの皆様、十日町の地域の皆様、展覧会を見に来た方々なども一緒に踊りながら歩いて「二人」の幸せを祝う、お祭りのようなものを作りたいと思っています。(2009.2南雲)

夕刻から行われた花嫁行列は、神社の前で地元の方達による地固めの儀式から始まった。時折霧雨が降る。静々と登場した新郎新婦。古式ゆかしい婚礼の儀式にノイズが被さる。上石智哉さんによる音楽。ここでこの作品のタイトルを思い出した。その後、音楽はこの作品のために創作されたJ-popにかわり、地元の女性たちが曲にあわせて考えた振り付けで行列は進んで行く。

行列の脇を幾度も行き来する南雲さんは、ふわふわとした衣装をまとい始終笑顔。夕日がタイミングよく行列を照らす。幼子がきれいな着物を着て歩いている。母親が子どもの頃のものだとか。嫁入り道具を背に載せた馬に笑顔を送る。

トラクターが曳く荷台に座る新郎新婦は幸せそうだ。黄色い角隠しと赤い花嫁衣装。新郎は紋付袴。東京から駆けつけた知人たちは浴衣や甚平で始終笑顔。

到着した会場は松明が灯り、屋台村が出現していた。夏祭りのような披露宴が始まった。



追記:音楽を担当した上石智哉さんは横浜トリエンナーレ2005でも音楽を担当していらっしゃる。