そもそも積極的に歩き出したのは同僚だった。所謂メタボ対策。
有言実行で、食餌療法だけでみるみる5kgの減量を果たす。次に取り組んだのが歩くこと。万歩計やウォーキングシューズを取り入れて毎日１万歩。結果はすぐに出た。ひどい腰痛も減少した。
そんな同僚の影響で私、そして同僚の妻も歩き出した。それぞれがそれぞれのペースで好きな時間に歩いている。
さて日が暮れないうちに帰ろうかと準備していると、犬が一緒に行きたそうな声を出した。たまにはうちに泊めてやってもいいかと思い連れて行く。
テニスコートまでは普段の散歩でも来ているので躊躇なくついて来た。その先の森林公園も問題なし。
が、そこから先は匂いがしないのか先に進もうとしない。ぴったりと私の右側を同じペースでついてくる。たまにマーキングしつつ。
だんだんと歩く速度が遅くなる。ちょくちょく私の顔を見上げ、「ここはどこ？」「どこにいくつもり？」と言っているような表情をする。うちの前につくと迷わず階段を駆け上る。以前数度来たことがあるのだ（車に乗せて）。ドアを開けるとさっさと入っていく。
しかし。
水を飲んだら不満タラタラ。唸ったり鳴いたりして落ち着かない。ずっと鳴かれていると近所迷惑だ。仕方なく同僚に引き取りに来てもらう。軽トラックが着くと助手席に飛び乗り、同僚に鼻面を押し付けて甘えた。
外泊は嫌いなようだ。
今まで先日購入した冬のブーツで歩いていたが、久しぶりに登山靴にしてみた。重いがやはり歩きやすい。これなら凍結した朝の道も安心。
