12/17/2008

家路

毎日通る道でも速度によって見えてくるものが違う。3分で通り過ぎる道を20分かけて歩いた。
夕暮れの空が徐々に暗くなっていく。舗装した道を外れ、落ち葉の堆積した林の端に足を踏み入れる。ウサギか狐でも出てこないだろうかと思う。薄暗くなって来たので足を止めることはないが、目は周囲の情報を事細かに脳に伝えてくる。外気に触れる皮膚は冷たくなっているが、コートの下は汗ばんでくる。山の中腹にはホテルの灯りが、右前方にはリゾートマンションのそれが見える。道に迷ったわけではないのに、窓から漏れる灯りにほっとする。