5/07/2015

森の中の子どもたち


森をテーマにした総合的な学習に取り組む小学5年生が、妙高リブランの森にやってきました。一年をかけて学習するねらいは、身体と森が一体となり、森のもつ生命観を感じ、森での営みを探るなかで、人間のあり方について考えていくというもの。なかなか壮大なねらいです。
子どもたちは学校にある森のほか、近隣にある様々な森の中で活動していきます。

妙高リブランの森での一回目は、森にあるものを燃料として焚き火をつくり、湯を沸かしてお茶を飲むというものでした。高カロリーな燃料となる樹種は何か、着火材として使えるものは何かを教わり、マッチで火を起こしていきます。並行してやかんを吊るす三又と自在鍵を作りました。
そこにあるもの、少ない材料を知恵と身体を使って目的を果たします。お茶を飲み始めた時間は、グループによってそれぞれでしたが、どの子どもも満足そうな表情をしていました。

この日初めて会った子どもたちは、野外で活動することに慣れているようでした。低学年からじっくりと掘り下げる総合学習を行っている学校で、哺乳類を飼育したり、野菜を作ったこともあるそうです。
お茶を飲み終わった子どもたちが、焚き火に杉の枯れ枝を入れて火をつけ、聖火のように掲げて遊んでいる場面がありました。これまでこのような場面では、引率の方が行為を止める注意をいうのが通常です。しかし今回は誰一人として止めたり注意をする人はいません。見ていると子どもたちも人に火を向けたり、危険な行為はしていません。火遊びを心ゆくまで楽しんでいる風です。
これがとてもいいと思いました。
森の中の小川にいけば、裸足になって何人も水の中に入っています。衣服を濡らし、森の中で着替えた女の子も数人いたほどです。

この子どもたちが一年後「人間のあり方」についてどのような考えを持つのでしょうか。楽しみであります。