3/08/2010

南中 最後の卒業式


校長先生の粋なお計らいで、職員席から卒業生を見送らせていただいた。新井南中学校、54回生の最後の卒業式である。

2年生二人の司会で式は進む。卒業生の入退場曲は、シンガーソングライター大野靖之さんの「また逢える日まで」。昨年10月にこの方のライブを学校で行い、大野さんの言葉の力に全校生徒が心揺さぶられたとのことで、校長先生が選曲された。

卒業証書授与はひとりひとりに言葉をかけられて渡された。先日学校をお訪ねしたときに、校長室で生徒3人と校長先生が一緒に給食を召し上がっていた。色々な事を話しながら生徒と会食の時間をとられているとの事だった。校長室から出てきた女子生徒が「校長先生さいこー。超楽しい」と話していたのを耳にした。そんな校長先生であるから、かける言葉もひとりひとりのこれまでの活動を見てこられてのものだった。

生徒会長の別れの言葉、そして在校生の送る言葉から、この学校の生徒会活動がどれだけ活発であったかがうかがい知れた。全校生徒50名足らずの小さな学校であるから、一人何役も仕事をこなしてきたのだろう。運動会などの学校行事は、大規模校と同じだけあるのだから。

一段と冷え込んだ体育館の中。膝の上にきちんと手をのせて、壇上の方の話しに聞き入る生徒たち。目を赤くしている保護者の方々。席を離れてカメラやビデオを回す方はいない。そこにいる人全てが、式に集中している。

卒業記念合唱になった。てきぱきと在校生がピアノや椅子を準備する。卒業生が壇上へ上がる。彼ら彼女らが選んだのは、GREEEENの「遥か」だ。両親への感謝と巣立ちをうたったものだ。歌のあと、卒業生一人一人が言葉を述べた。「お父さん、お母さん、これまで育ててくれてありがとう」「先生方の授業はとてもわかりやすかったです」など、これまで支えてくれた人たちへの感謝の言葉で溢れていた。特に家族への感謝の気持ちを述べた生徒が多かった。

卒業、そして学校の閉校と様々な思いが参列者の胸にあったであろう。卒業生のひとり、生徒会長の言葉が印象深い。「最後の....は終わりではなく、新しい未来に続くものなのだ」