10/13/2009

秋の森で

先日、母を連れて山栗を拾いにいった。


落ち葉の堆積した小道はふかふかで歩いていて気持ちがいいという。
私も同感だが、あまりにもこの道に慣れてしまっていた。
あらためて言葉にされると、数年前に感激したことを思い出す。


台風の後ということもあり、地面にたくさん落ちていた。
小さな穴があいている物ばかりだったが、夢中になって拾う。
渋皮煮を作りたいのだそうだ。私も手伝う。


イガから実を出すために使っていた火鋏で、幾重にも堆積した落ち葉を払いのけた時だった。地面が出てくるものと思いきや、無数の虫が激しく身をくねらせていた。一瞬うわっと思ったが、何だか感動してしまった。

小山になった無数の虫が一斉に動いている様は、葉の落ちた寂しげな秋の森に生の営みがあることを教えてくれる。灰色の虫からは生きているものの熱が感じられ、鮮やかに光を放っているように思えた。

払いのけた落ち葉を元に戻し、栗拾いに戻った。