8/27/2011

森が沁みる

自転車の補助輪が取れたと言って近所の小学2年生がやってきた。しばらくすると小学生の母親が追いかけてきた。「お母さんの見ているところで乗りなさいって言ったでしょ!」

自転車に乗ったら遠くに行ってみたくなるもの。でも交通事故が心配だ。学区内で小学生の死亡事故もあったばかりだし。事務所前の道路は車の往来は激しくないものの、徐行運転はしてくれない。

彼の乗っている自転車はマウンテンバイクだ。「よし、森で練習しよう。そもそもその自転車は道路より野山専用なんだし」
ということで、軽トラックに彼と私のマウンテンバイク、そして年中さんの三輪車を乗せてGO。ついでに2匹の犬も連れて。

舗装されていない森での走行にすぐに慣れた。落ちている枯れ枝も上手に乗り越える。広場を周回する道を走ってみることにした。多少のアップダウンはあるものの、ほとんど平坦なのだ。私、2年生、年中さんの順。あ、犬2匹が前後を入れ替わりながら間を走る。

すぐに三輪車が音を上げた。スピードに追いつけないし、そもそもスピードが出ない。体力的にも不利。で、泣き出してしまった。広場で遊んだらと言ってみるが更に激しく泣くだけ。一緒に行きたいし、兄に負けたくないといった表情だ。
「ここは保育園じゃなくて森の学校だから、ちょっと厳しいんだよ。ずっと泣いていてはだめだよ。私と一緒に乗っていくなら泣き止んでね。」と言ったらピタリと泣き止んだので負ぶうことにした。とはいっても、私の両手はハンドルを握っているし、マウンテンバイクにはうまい具合に立てる場所もない。両手両足で私のからだにしがみつく格好だ。それで何周か走った。

その後2年生と私は急坂に挑戦する。登りは自転車を引っ張り上げる。ブレーキのきかせ方が急激にうまくなる。
お昼は家に帰る予定だったが、もっと森で遊びたいというので弁当を買ってきて更に続く。弓矢遊びや高い木から吊るしたブランコに乗ったりする。
練習した周回道路でタイムトライアルなども。その頃には年中さんも三輪車で参戦していた。



後日、子どもたちの母親からその日の夜のことをきいた。寝るまで森で遊んだことを事細かく話していたそうだ。年中さんは「ここは森の学校だから・・・」という私の言葉をそっくりそのまま伝えたそうだ。そしてまた森に行きたいとのこと。

子どもたちに森を沁みこませる作戦、大成功。私はちょっと筋肉痛。