1/06/2010

こどものスキー 上達の秘訣


私の最初の職業は公立中学校の保健体育科教員だったのだけれど、その時いつも考えていたことはふたつ。

・体育嫌いを作らないこと。
・授業時間中いかにからだを動かす時間を多く取るかということ。

ひとつ目は文字通り。走るのが遅くても、気持ちいいとか楽しいと感じてもらうこと。長距離走は嫌いな人が多いけれど、色々工夫してやってみると実に楽しそうに走るものだ。記録を狙うアスリートを育成するのが保健体育科教員の目的ではない。生涯にわたってからだを動かすことを好きになってもらいたいのだ。

ふたつ目は説明を長々と話したり、試技の順番待ちの方が長いということをなくすことが主。場所や用具の制約のある中でこれを行うのは、工夫のしがいがあって楽しいのだ。そして運動量の多寡が体力や技能の向上に繋がる。


こんな前振りをしたのは、本日大雪&厳寒の中、小学生とゲレンデスキーをしての感想を記そうかと思い。若干太ももに筋肉痛があるほど、本日はよく滑った。人生2回目から今シーズン2回目までいるグループで、足並みはバラバラ。こども達はアルペンスキー、こちらはいつもの革靴&スリーピン細板。

スピードにのって転ばず滑ることを全員の目標にし、プルークボーゲンまたはパラレルターンでの滑降を指導した。
スキー経験10回以上のこどもがつまらなく感じないように、かつ2回目のこどもがグループについてきて更にスキー好きになるようにというのが私の目標。


結果からいえば、厳寒の中汗ばむほどの運動をし、全員が途中脱落することなく技術を上げた。


こども達への説明はスキーの原理とポイントだけ。あとは場面に応じて個々に対応した。技術の解説を長くした所で、また、たくさんのことをいったからといって、全て実行できはしない。かえって頭の中が混乱するだけだと考えるからだ。
そして、出来たことはすぐに褒めた。

一人のこども(小学4年生/スキー経験3回目)が転んだ際こんなことを言った。
「だんだんからだが後ろにいってしまって、スピードが出て、スキーの前がばたつき始めた。そして転んだ。」
どのようにしたら転ばないかも理解している。あとはスキーに慣れるべく滑るのみ。

昨年この事業で初めてスキーを履いたこどもも、2回目である今回、かなり速く滑れるように変わった。急斜面も転ばずにボーゲンで滑降。
滑れば滑るほどにうまくなる。こどもたち自身はもちろん、私もそれを確信した一日であった。

自信に満ちた表情がすてきだったなぁ。

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