7/05/2012

粽作り

粽の作り方を習ってきた。 水に浸した餅米を、抗菌作用のある笹でつつみ、スゲで縛るだけという至ってシンプルな保存食だ。数えきれないほど笹をむいて食べてきたが、自分で作った事はなかった。せっかくのチャンスなので、人に教えられるくらいにしっかりと覚えたい。
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笹の葉を採るのは今が旬なのだそうだ。丸まった新しい葉が開き間もない梅雨時に、幅が広くて大きなものを選ぶとよい。「旬葉」は埃などの汚れが少なく、古い葉よりも柔らかいため作業がしやすいとのことである。
採集した葉は、スポンジなどでざっと水洗いし、水を切った後、重ねて輪ゴムで縛りラップで密閉して冷凍保存しておくと、次の「旬葉」が出るまで使う事ができる。
上記1と2は講師の方が昨年作られた保存葉である。

粽や笹団子を縛る草はスゲもしくはイグサがお勧めとの事だ。スゲは周囲の葉をむき、中心部の2、3本を利用する。なかなか手間のかかる作業だ。集めたスゲを陰干ししたものが上記の3である。使用する時は水につけておく。乾燥したまま使うと、簡単に切れてしまうからだ。


ひとつの粽に付き、2枚の笹を使う。
笹の裏側(白い方:抗菌作用が高い方)を中にして、くるりと巻き円錐形を作る。その中に餅米を詰める。円錐の先から米がこぼれ落ちないように隙間が開かないことと、葉先と根元が重なる事がポイントだ。
重なった両端を蓋にして閉じる。次にもう一枚で、蓋の上から被せて、包み込む。生憎画像はない。その際、蓋の肩の部分が裃のようにきちりと角張っているのが望ましい。

その後、スゲで縛っていく。この作業中は必死だったため、画像がないのが残念。教わってみれば難しい点は何も無い。小学3年生も作る事が出来たと訊いた。手が覚えるまで繰り返し、都合15個の粽が出来上がった。


左は初心者の私の粽。右は講師が作られた粽(茹でた後で葉の色が変わっている)。


餅米は一晩水に浸したものを使用したが、講師によれば直前に水につけておいたものでも茹で時間を沸騰してから45分とすれば間違いがないそうだ。
このとき注意するのは、粽が湯から出ない事。落としぶたをしたり、湯が足りなくなったら差し水をする。すると、中までもちもちの粽が完成する。
笹の香りが移り、それだけでも美味しい。具材の入っていない粽であると、二週間は保存が利くそうだ。

応用編として中華粽もある。講師が参加者の為にご用意下さったもの。豚の角煮や椎茸、筍などが入っている。こちらは肉などが入っているので2日ほどで食べきるようにする。
講師のレシピは、フライパンで肉など炒め、餅米とまぶし粽を作る。水、醤油、みりん、出汁の中で粽を煮るとのことであった。これも挑戦したい。

ともかく自分の手が覚える事が大事と思い、翌日も15個の粽を作ってみた。前日よりも手早くきれいな仕上がりに自分でも驚いた。途中、来客があり、図らずもその方にやり方を教える場面が出来た。人に教えるとよい復習になる。出来上がったものは客人と近所にお裾分けした。