6/04/2012

里山の香り

「桜の木を切った瞬間に、ふっと桜の香りがする」
雪で折れた樹木整理をしている同僚の弁を聞き、私もチェーンソーを習いたくなった。たしかに枝や葉を燃やしている時に、それぞれに異なる香りがする。今日は杉と唐松を燃やした。アロマオイルでいったらジュニパーのそれに近い。針葉樹特有の爽やかな香りが漂う。汗をかき、水をがぶ飲みしながら香りに包まれての作業。ホーホケキョとウグイスのさえずりが聞こえてくる。

小学生の時に読んだロシアの物語で、シラカバを燃やすとよい香りがするという下りがあった。ずっとその香りを思い描いていたが、特段書く事もない香りであった。着火時の樹皮の優秀さは群を抜いているのであるが。


枯れた茅の広場にはぽつりぽつりとワラビが出ていた。太いものを選んで摘む。蕗を摘み、葉を落とす。柔らかいヨモギの新芽だけを摘む。「摘み草料理」という言葉が浮かぶ。草餅にしてみようか。それとも乾燥させてヨモギ茶などどうだろう。夢中で摘んでいたら指先からえも言われぬ草の香りがしていた。