2/20/2011

谷川岳で絶景パノラマ/ Tanigawadake


天神平ロープウェーに乗ったのは約40年ぶりだった。降りて最初に目にした山の景色は、アルバムにある40年前のスナップ写真と変わりがない。そこに写っていた子どもが今スキーを履き、当時は眺めるだけだった山に向かおうとしている。我ながら感慨深い。

お天気は最高。出発時に塗り込んだ日焼け止めをあっさり凌駕する紫外線量で、スナップ写真をあらためてみると歩き始めて1時間で真っ黒になっている。途中で日焼け止めを塗り忘れたのは目の前に広がる絶景に心奪われていたからだ。目指す谷川岳は勿論のこと、隣に聳える俎嵓(まないたくら)、他名前はわからないがずっと遠くまで連なる山々、そして小さく見える町並み。空には飛行機雲とその影。ここまで歩いてこない限り見ることのできない景色だ。写メを40年前の同行者に送る。

出発時はスキーにフルシールを貼って歩いていたが、途中よりスキーを背負って足元はアイゼン(クランポン)に。おろしたてのそれはブラックダイアモンドのNEVE PRO。装着しやすい。
この日谷川岳を目指す人たちの足元を見ていると、アイゼン>スノーシューで、スキーのシール登行はゼロ。またスキーヤーも我々の他1名と非常に少ない。スノーボーダーは数人出会った。圧倒的に下りも歩いて降りる人たちが多数である。これは先月行った前武尊とは真逆だ。谷川岳とはそのような山なのだ。

標高を上げるにつれ雪質が厄介なものに変わってくる。表面がクラストしたモナカ雪でちょっとスキーで安全に降りて来れる自信がない。革靴、スリーピン、細板は無理しない方がよかろうということで、大きな岩のところで引き返すことにする。

熊穴沢をスキーで下る。上部はクラストしたモナカ雪、その先は大変重い腐れ雪であった。ターンなどできない。こんな日もあるのさ、絶景楽しんだからいいじゃんと自分にいい聞かせながら筋肉にむち打つ。デブリもありちょっと気持ちが悪い。さっさと滑り降りたい場所だ。しかし、なかなかさっさと滑れない。なんだか気持ちばかり焦り全身筋肉痛の予感のする下りであった。天神平スキー場に出て終了。

バックカントリーからスキー場に入るといつも思うのだが、ゲレンデってほんとに滑りやすい。突然雪質が変わることもなければ、デブリもない。さっきまでメタメタだったのに、ゲレンデでは華麗。バックカントリーを滑りたければ、いつまでもゲレンデにいないで外に出ないとだめだと言われる所以。