1/26/2009

ボクにできること

先日、叔母に会ったときのことです。
叔母から彼女の娘(いとこ)の近況を聞きました。いとこには二人の幼い子どもがいるのですが、4歳の子どもに電話のかけ方を教え込んでいるとか。なぜなら、自分にもしものことがあったとき、ひとりで電話をして助けを求められるようにだそうです。

それを聞いて思わず「どこか悪いのか?」と訊いてしまいました。そんなことはないと一笑に付されてしまいましたが、先月観た映画「ボクにできること(A bras le corps/2005/Katell Quillevere)」を思い出してしまったのです。

注意!! あらすじ書いています。ネタバレ注意!


小学校低学年と幼稚園児くらいの年齢の兄弟が、なかなか起きてこない母親を気にしつつも、自分たちで朝食を食べ、着替えをします。まだ母親は寝室から出てこない。兄は弟を遊ばせながら朝の時間を過ごします。

登校する時間が迫ってもまだ母親は起きてこない。寝室に入ろうとする弟を兄は止めます。休ませてあげようという心配りからなのか、中で起きている事実に直面したくないからなのか。

集合写真を撮る日だから遅れたくないという弟の手を引き、兄は家を出ます。でも母親は起きてこない。ベッドにうつぶせでいるショットのみ。兄は出がけに近所のカフェに立ち寄り、顔見知りの大人に何かを伝えます。それを聞き、兄弟のアパートに向かう大人。

集合写真を撮る時、年齢の違う二人は別々の集団に分かれるのですが、兄は弟の手を取り離しません。引き離そうとする教員に「一緒に撮るんだ」といって泣き叫びます。別の教員が彼をなだめ、一緒に撮ることを許します。しっかりと弟の手を握り、ぴったりとくっつく二人。家族が二人だけになってしまったことを兄はわかってしまったかのように。




いとこの4歳の子どもは叔母にしょっちゅう電話をかけてくるそうです。
「おかあさんと妹がまだ起きてこないから、ばあちゃんすぐに来て」と。いとこの場合は単なる寝坊なのですが。叔母は電話をかけるのが面白いからだと言っていましたが、それだけではないような気がしてなりません。